国境なき医師団(2/4)〜Professionals for Owners オーナーを支えるプロフェッショナルたち〜

国境なき医師団(2/4)〜Professionals for Owners オーナーを支えるプロフェッショナルたち〜

ライフ

活動の中立・独立・公平性や自由が
奪われる寄付金は、受け取らない

医療・人道援助活動を行う非営利の民間国際団体「国境なき医師団」。
1971年の設立以来、紛争や自然災害、貧困などによって命の危機に瀕している人々に緊急医療を提供してきました。
実は、その活動資金の95%は民間からの寄付により支えられています。
国境なき医師団の活動や理念、そして個人ができるサポートについて、
特定非営利活動法人国境なき医師団日本ファンドレイジング部ディレクターの吉田幸治さんに伺いました。

事業規模としては、どのくらいなのでしょうか。

組織全体では約2,000億円、日本では約79億円の寄付収入があります。
大きな額のように見えますが、世界で緊急医療を必要としているすべての人々に無償で医療サービスを提供するには、ほど遠い額であることは自明です。そこで私たちが心がけているのが、選択と集中です。
つまり、「緊急フェーズの医療援助」という強みを最大限発揮できるドメインに絞り込み、限られた予算で自分たちができることに集中する、ということです。
例えば、UNICEF、World Vision、Save the Childrenなどさまざまな支援団体がありますが、それぞれが開発援助、教育、子ども…とある程度役割分担をしています。
支援者の方々からもさまざまなご意見をいただいているのですが、私たちなりのブレない軸を持って、緊急医療支援に特化した活動をしていく考えです。

2,000億円の活動費の資金源は、寄付になるのでしょうか。

はい。弊団は、全ての活動費用を寄付金で賄っています。
国境なき医師団では、独立性を保つために、政府機関や国際機関から受け取る寄付金に上限を設けています。
2016年度の実績では、全体の95%は民間からの寄付金です。
そして、95%のうち約9割が、一般の個人の方からの寄付になっています。
これは、国や特定の組織・企業の発言権が強まるのを防ぐため。
どこでどんな活動をして、どれくらいの資金を使うか、活動について自分たちに決定権があってこそ、中立・独立・公平性や自由が保たれるのです。
また、製薬会社や武器の製造・販売・輸送などに関わる会社、公序良俗に反する会社などからの寄付や、国境なき医師団が強みを発揮できない地域や用途に使い方を指定されたお金もお断りしています。
ファンドレイジングを担当する身としては、お金を集めたい思いはありますが、私たちの活動理念や組織のあり方に基づいて資金を集めるという点は、他組織に比べても徹底していると自負しています。

聞き手:芦田 敏之(税理士法人ネイチャー国際資産税 代表)

To be continued…