シリア紛争、始まっている紛争“後”(2/3)〜難民キャンプにはいない難民〜

シリア紛争、始まっている紛争“後”(2/3)〜難民キャンプにはいない難民〜

文化

前回は、シリアの被った損害と現状についてお伝えしました。
今回は、ワールド・ビジョンの取り組みについて、
ヨルダン駐在スタッフからの報告を交えてご紹介します。

難民の子どもたちに教育の機会を確保し、難民の受け入れ国の子どもたちも守る

第2次世界大戦以来最大の難民危機を招いたシリア紛争。
2011年の開始以降、国際機関、各国政府、国際NGOといった緊急人道支援のプレーヤーがそれぞれの強みを活かして役割分担をしながら、市井の人々を守り、絶望の中に希望の火を灯すため、懸命の努力を続けてきました。

ワールド・ビジョンは、子どもを支援する国際NGOとして、シリア難民の子どもたちの教育支援に力を入れています。
平和でも紛争下でも、教育を受けられることは子どもたちの基本的な権利であり、そして、今受ける教育が、いつか、和平が訪れた祖国を再建する力につながるからです。
シリア難民の子どもたちに教育の機会を確保するのと同じぐらい重要なのが、難民を受け入れている国々の子どもたちも守ることです。
2017年現在、約540万人のシリア難民のうち、330万人はトルコ、100万人はレバノン、65万人はヨルダンへ逃れています。
各国の人口あたりの受入数をみると、レバノンでは人口の6人に1人、ヨルダンは11人に1人、トルコは28人に1人がシリア難民という状況です(UNHCR)。
紛争の長期化によって疲弊する難民受け入れ国の負担を、支援によって軽減させることが、一人ひとりの子どもの成長のために、そして、地域全体の安定のために不可欠です。

8割以上の難民がキャンプ外で生活する

ヨルダンに駐在しているワールド・ビジョン・ジャパンの渡邉裕子スタッフはこう語ります。
「難民キャンプに難民だけがかたまって住んでいるというイメージが浮かぶと思いますが、ヨルダンでは事情が異なります。実に8割以上のシリア難民がキャンプの外で生活しているのです。
難民が流入したことで都市部の家賃が高騰したり、学校が二部制になったりしてヨルダン人の生活にも影響が出ています。
ワールド・ビジョンをはじめとするNGOや国連機関は、難民だけでなく難民流入の影響を受けているヨルダン人も対象に支援を行っていますが、資金不足もあり、十分ではありません。
難民が祖国に帰還できる日が一日も早く来るように、また昔から戦禍を逃れてやってきた人々を温かく迎え、異なる民族や宗教の共存を可能にしているヨルダンの安定が永遠に続くようにと願っています」

(執筆:ワールド・ビジョン・ジャパン 浅野恵子)

To be continued…

<引用文献>
http://www.worldbank.org/en/country/syria/publication/the-toll-of-war-the-economic-and-social-consequences-of-the-conflict-in-syria

https://www.worldvision.jp/about/item_img/TheCostofConflictforChildren.pdfhttps://www.worldvision.jp/children/fearsanddreams/
The World Bank (2003). Breaking the Conflict Trap: Civil war and Development Policy