プルータス・コンサルティング〜Professionals for Owners  オーナーを支えるプロフェッショナルたち〜

プルータス・コンサルティング〜Professionals for Owners オーナーを支えるプロフェッショナルたち〜

投資

裁判における株式価格算定の手法や公正さが、
その後の評価実務に大きな影響を与える

有価証券の評価・設計や裁判などについて、具体的にはどのような事例がありますか。

例えば、2006年には、旧カネボウ株式会社がクラシエホールディングス株式会社に主要業務を営業譲渡する際、反対株主からの株式買取価格が裁判で争われました。
弊社は東京地方裁判所(東京地裁)から委嘱を受け、鑑定補助人として旧カネボウ株式会社の株式価格を鑑定しました。
東京地裁は弊社が算定した1株360円を採用し、2010年には最高裁判所で確定しました。
本事案は、株式価格算定の合理性が主な争点となった裁判例として、その後の実務におけるベンチマークとなっています。

また、2007年には、(株)オートバックスセブンに対し、株主である機関投資家から発行差止仮処分命令の申し立てがなされ、東京地裁で争われていました。
同社が発行する転換社債型新株予約権付社債について、弊社が評価額の算定とフェアネスオピニオンの作成を受託し、東京地裁は「(プルータス・コンサルティングの)算定結果に不合理な点はない」との決定を下し、差止不成立となりました。
新株予約権に関する発行差止仮処分申立事件において発行者側の主張が認められたのは、この案件が初めての事例となりました。
また、本事例で弊社が行なった公定価格の算定法(モンテカルロ・シミュレーション)やそのロジックは、その後の新株予約権の評価実務に大きな影響を与えました。

有価証券の評価の背景にあるさまざまなデータは、独自に分析されているのですか。

代表の写真弊社では、独自に算出したデータを配信するサービスも提供しています。
例えば、国内の約3,600社の全上場企業の株価データをもとにマーケット・リスクプレミアムを算出し、配信しています。

一般的であるヒストリカル・データ(過去の株価収益率)による手法に加えて、市場での株価と収益率を用いた「インプライド・リスクプレミアム」を提供しているのが特徴です。
査定の際には、例えば過去60年分のヒストリカル・データだけだと「60年前の数字が今と比較できるのか」と突っ込まれることなどがあります。
複数の観点で算出した数字の持つ説得力は、やはりまったく違います。そして、こうしたデータを複合的に用いたうえで、一社一社について企業価値や有価証券の評価をすることになります。