ワールド・ビジョン・ジャパン〜Professionals for Owners  オーナーを支えるプロフェッショナルたち〜

ワールド・ビジョン・ジャパン〜Professionals for Owners オーナーを支えるプロフェッショナルたち〜

金融

正解のないことを、楽しもう
あきらめず、挑戦し続けよう

今後、国際NGOの存在や活動はどう変化していくとお考えですか。

欧米では以前からNGOが活発に活動していましたが、昨今では国内でも、政府に提言を行うなどNGOが存在感を強め、世間的にもNGOへの意識が変わってきていると感じます。
激動しているグローバル社会の中で、国益でもなく、経済利益でもない価値を追求する、第3極のプレイヤーであるNGOに求められる役割はますます高まっていくと思っています。

一方で、NGOが万能なわけではありません。
政府や国連組織、民間企業等、様々な組織との連携、そしてもちろん、市民の方々に支えていただくパートナーシップがあって初めて、活動していけると考えています。

そうしたなかで、ワールド・ビジョン・ジャパンとしては、今後どのような展開をお考えですか。

代表の写真これまでも、もっとも弱い立場にある子どもたちへの支援を大切にしてきましたが、今後は、今まで以上に、より脆弱性が高い環境に生きる子どもたちにリーチしていく組織でありたいと考えています。
ワールド・ビジョン・ジャパンが設立された頃、5歳未満で亡くなる世界の子どもの数はおよそ1,300万人でした。
それが、30年を経た今では半分以下の560万人まで減っていますから、世界は大きな進歩を遂げているのです。
でも今の課題は、その進歩から取り残されかかっている存在です。
特に、紛争地、そしてアフリカの課題が大きいですね。
国際社会は、2030年までに貧困を撲滅し、持続可能な社会を実現するための重要な国際目標としてSDGs(持続可能な開発目標)を掲げ、「誰一人取り残さない世界の実現」をうたっていますが、ワールド・ビジョンも、もちろんその達成に貢献していきたいと思っています。

大きなビジョンの達成を目指し続けるためには、何が大切でしょう?

スタッフに常に伝えているのが、「課題から逃げずに、なんでもやろう。
できることもできないこともあるけど、とにかくやってみよう」ということです。
本当に大切なことは何か。自分たちのミッションは何か。そこがブレないことが、私たちのような団体にとってはとても大事なことだと思うのです。

たとえ治安が悪かろうが、自分たちが役立てる場所、必要とされている場所であれば、勇気を持って行く覚悟でスタッフは日々活動しています。
外部のさまざまな企業や組織の方々と手を取り合って、活動をさらに有意義なものにしていきたいと思っています。
そのためにも、まずは一人でも多くの方に私たちの活動を知っていただくことが重要です。
そして、継続的であっても一時的であっても、ご支援いただける方を増やしていきたいと考えています。

最後に、これからの日本、世界を支える若い世代に、メッセージをお願いします。

正解のないことを楽しもう」ということです。
世の中には、正解がない問題があふれています。問題が解決できないからといって解決策を探るのをあきらめては、前には進みません。
100%みんなをハッピーにできる解決策はなくても、できる範囲で最大限のソリューションを考え、提案し、実行し続けていくことが大切ではないかと思うのです。

うまくいかずに逃げたくなったときには、ボブ・ピアスの「すべての人に“何もかも”はできなくとも、誰かに“何か”はできる」という言葉を思い出してください。
試行錯誤しながら挑戦を楽しむ人は、きっと、楽しく充実した職業人生を送ることができるはずです。